2012年12月16日日曜日

アリステア・マクラウド『すべてのものに季節がある』

クリスマスを題材にした短編をひとつ。

アリステア・マクラウド『すべてのものに季節がある』(『冬の犬』(新潮クレストブックス)に所収)

カナダ東端の島で過ごした少年時代のクリスマスを、語り手が少しずつ思い出す話です。
雪に埋もれ凍りついた島では、出稼ぎ中の兄がクリスマスに帰ってくるのを家族で待っている。
兄が帰ってくると、若馬にそりを引かせて、教会へ連れて行ってくれる。そして家族へのプレゼント。

大人としての兄と姉と、下の兄弟に挟まれて、大人と子どもの間にいたときの心象風景がとても美しい話です。飼われている若馬や羊、豚、鳥たちの様子に凍れる島の冬を感じます。
どこにも静かという言葉は使われないのですが、静かな季節の光り輝くクリスマスの時間が伝わってくる作品です。


2012年12月9日日曜日

Haines - End of the trailへの旅 (アラスカ)

南東アラスカのヘインズに行ってきました。

ヘインズは土地のクリンギットの言葉ではDei Shu であり、 その意味は"End of the trail"。
入り組んだ氷河の奥の奥に、ぽつんとした集落がありました。

今回の目的はBald Eagle(ハクトウワシ)です。
以前写真集で見た、凍りついた冬の森に点々と止まるハクトウワシの姿はずっと頭の隅にありました。時期的に、ちょうどハクトウワシが集まる地域が、ヘインズにあるらしい。

立派に”僻地”であるヘインズには、おいしい自然食のカフェと、アメリカの各地から流れ着いた自由で愉快な人たちがいました。

また少しずつこの旅のことを書いていければ。


Haines - Bald Eagle Preserve 2012