2013年2月24日日曜日

川端康成『山の音』

川端康成作品が好きという人にあまり会ったことがないのですが、私は文体が好きで時々読みたくなります。
内容全体は憶えていなくとも、ディテールの描写が強く印象として記憶に残る作家です。そしてそれはしばしば日本的な美であることが多いです。
例えば、あでやかな着物をまとった女性のまわりをひらひらと幻の蝶が舞っているようだ、といった表現(たしかこれは『千羽鶴』の中の話)。

『山の音』は少し前の日本の”家”を背景に、老年の主人公と年老いた妻、同居の長男と嫁、子どもを連れて戻ってくる娘の日常を描いた作品です。
少し前の話なのに、時代はなんと変わったことか。平屋で生垣のある家であることは大前提であり、全体的にトーンが暗く静かなのです。それを「日本古来の悲しみ」と文学上は表現されるようですが。

町から表面上は失われた「日本古来の悲しみ」を何か逆に求めて、川端文学に手を伸ばします。




Eagle Festival (アラスカ)

南東アラスカのヘインズは”Valley of Eagles”として知られています。
フィヨルド奥にある小さな町の、小さなダウンタウンから車で40分くらいのところにハクトウワシの保護区があり、毎年秋から冬にかけて何千という鷲が集うところです。

ハクトウワシがたくさん集うのは、いったいどんなところなんだろう。

 はじめてアラスカに来たとき、ハクトウワシが見られたらラッキーと思っていたのがもうはるか昔のように思えます。 5年かけて、ここまで来られた。

保護区は町よりさらに寒く、寒さがこれほど体力を消耗することをはじめて知りました。そんな凍りついた世界はまさにEagle Festival。これほど多くの鷲たちが、そこかしこの雪を抱いた木々に止まったり、川沿いで鮭をついばんだり、喧嘩をしたり、たたずんだりしている風景を前に、遠くまできたなとぼんやり思いました。



2012 Haines Chilcat Bald Eagle Preserve



















・・・まあまあ仲良く。



















さあ 次はどこに行こう。