2013年6月30日日曜日

柳家小三治『もひとつ ま・く・ら』

師匠には申し訳ないのですが、古書店で100円でふらりと購入しました、柳家小三治『もひとつ ま・く・ら』がおもしろかったです。

熱心な落語家ファン、というわけではまったくなく、ラジオでぼんやり聞いたり、飛行機に乗っているときに聞いたり(これはたのしみにしているので、途中機内アナウンスで中断されるとこの上なくショックをうけますが)するくらいです。

旅については傍から見るとかなり面倒な手間ヒマをかけて準備をしていそいそと出かけるのに、どうも劇場やら映画館やら寄席には億劫に感じて足が向きませんでした。別に家でDVDも見ません。

でもこの本はおもしろかった。日常生活おきざりにして読み進めたくなる冒険譚や推理小説、先に進むのも惜しい重厚な文学作品とも違う、肩の力の抜けた、ゆったりしたおもしろさでした。師匠は笑われるかもしれませんが、これは癒し、に近いかもしれない。理屈抜きに、実際の落語聞きに行こうという気持ちになりました。