2014年10月26日日曜日

カニグズバーグ『魔女ジェニファとわたし』

カニグズバーグ『魔女ジェニファとわたし』に、ハローウィンのお祭りで子どもたちが近所の家にお菓子をもらいに行く場面が描かれています。主人公の新しいお友達ジェニファによるこの「ハローウィンのおふせまわり」はかなり傑作で、転校してきてから友達のできなかった主人公の前にあらわれた変わった子・ジェニファとの間に起こる、ふたりの内緒で特別な日々を予感させてくれます。

子どもの本というのは旬の読み時期というのがあるようですが、たしかにこの本を登場人物と同じころに読んだ子どもたちは幸せだろうなあ、と少々うらやましく思います。友人としか通じない言葉やルールやぜったいの約束、ストレートな気持ちとの葛藤など、『魔女ジェニファとわたし』を読んでここに”わたし”がいる!と夢中になり、それは結局その子にとって救いになった子どもたちがアメリカや日本にたくさんいたはずです。