2015年1月25日日曜日

チョコレート

思いがけない符号、一致の到来に気づき、小さな雷が落ちることがときどきある。偶然、という名前をつけたくはなく、驚きもしつつ、そう来ましたか、と受けとめて、でもその意味付けはまったくわからない。自分のコアな部分にかかわることもしばしばである。

例えば先日の話。せっけんシャンプーを使用する自然派美容室で、初めての美容師さんと話をしていて、オーガニックカフェや野菜ご飯のお店の話をしていると、そうそう、アラスカって行ったことあります?と聞かれる。軽く固まっている私を置いて、美容師さんは、どこどこにあっていいカフェなんですよねー、あ、そうそうその近くにも別のカフェがあってーとなめらかに話し続ける。ようやく体勢を立て直し、土地としての、アラスカであれば、と小さな声で、やって来た何かに応えた。

急に香港に行くことになった。想像もしなかった初めての場所である。香港在住の友人に連絡を取る。宿泊の手配は香港の人がしてくれて、そのホテルの名前を友人にメールで告げると、軽く興奮したメールが帰ってきた。そのホテルは最近できた新しいホテルで、昨年末に友人が一時帰国した際のお土産の、イタリアのメーカーのチョコレートはそこで買ったものということである。また小さく雷が落ちた。なんとなくそのチョコレートが入っていた小さな缶のデザインが気になって、手元に置いておいたのだ。そう、キミが呼んだの、とその缶のピエロか何かに応じてみた。相変わらずこの符号は不明のまま旅が済むのか、それともいつか意味がわかるのだろうか。