2012年9月30日日曜日

鷲羽池と法螺貝(北アルプス)

森や山を歩いていると、自分の心の動きがよくわかるようになる気がします。屋久島やアラスカの森を歩いていると、目の前の森を見つめるのと同時に、気持ちが奥深く沈んでいく。時々ふうっと息をつくように気持ちがまた浮かび上がってくる。

しっかり登山のときは気持ちもしっかりクローズドです。鷲羽岳への登りでは登る前からその覚悟が起こります。そういう意味で、とてもいい山歩きができました。森歩きのときとも違って、 呼吸と一歩一歩で精神が打ち込まれているというか。そして山頂手前で一気に開放されました。鷲羽池が見えたのです。

鷲羽池と槍ヶ岳

それから山頂での長い休憩の間、勢いよく開放された心も次第に落ち着き、北アルプスの素晴らしい山並みを眺めて過ごしました。

さて一人の登山者が取り出したのは法螺貝。法螺貝を吹くというのは、人々の我欲を代わりに吹き出すという意味があるとかのお話をその場で聞きました。
でもきっとこうして登ってきて法螺貝を吹いている、今の旅にもオリジナルな意味があるのでしょう、それがこうしてよいお天気で遂げられたのはよかったですね、と思いました。