2013年7月31日水曜日

サン=テグジュペリ『人間の土地』

飛行機の本となると、何を置いてもサン=テグジュペリの『人間の土地』です。
初期の頃の飛行機というのは、なんて浪漫と詩情にあふれる手段だったのだろう、とうっとりします。また同時に、その初期の頃にサン=テグジュペリ(と仲間たち)が獲得した、視野と精神性を伝えてくれる本です。

”あのともしびの一つ一つは、見わたすかぎり一面の闇の大海原の中にも、なお人間の心という奇蹟が存在することを示していた。”

原著が出たのが1939年、第二次世界大戦が勃発した年です。大戦の終結前に消息を経ってしまったサン=テグジュペリ。でもその著作は長く読まれ続けています。
 
新潮文庫版では、宮崎駿監督によるエッセイもあり、飛行機の歴史に対する複雑な心情が書かれています。