2015年12月13日日曜日

走れヒコーキ その2

小さい小さいヒコーキが好きだ。キャプテン(パイロット)も入れて8人乗りくらいの。薄汚れた小さいヒコーキたちが滑走路で並んで待っている。その中をゆっくりと歩いて行くキャプテン(パイロット)について行く。わくわく感をどうにか抑えて、いざ機上へ。小さなヒコーキはガタガタ左右に揺れながら、ふわっと飛び上がった。キャプテンと、おじいさんと、私を乗せて。

少しずつアラスカの旅も北上させている。フェアバンクスまで行くからには原野の村に行ってみたかった。日本にいる間も情報を集めたけれど、ピンとこない。やはり現地でさがそうと思ってフェアバンクスで決めることにした。それが、今回のメール定期便への便乗。本でアラスカ原野へのメール定期便の話は読んでいたけれど、実際に乗ることになったのはなんとも不思議。

今回はビーバー村とジョンストン村へ行く便に乗せてもらう。

人工物が何もない寒々とした荒野を飛んでいると、ユーコン川が見えてくる。飛行機の待合所でさんざん地図を眺めてどこを飛ぶか確認していたのに、全然ユーコン川のことを意識していなかった。これがあのユーコン。

灰色の建物がばらばらと川のほとりに散らばっているのが視界に入ってくる。どこに着陸するのかしらと思っていると、ここでキャプテンが信じられないくらいヒコーキを傾けて、ほんとに簡単に一回転させるんじゃないかと思った。(アラスカの人は何をするかわからない。)

ちょうど今ウサギのスープがあるのに、1泊くらいしていけば、というのを振り切って村を後にする。着いた時より去る時のほうが何か胸に来る。本当に、いろいろな暮らしがある。また来ます、と言ってしまった。また来なくちゃ。


ビーバー村に着陸 2015