2012年2月24日金曜日

角幡唯介『雪男は向こうからやって来た』

お山から帰ってくると、本が読みたくなります。
雪の大山のあと本屋をうろうろして、この本にしました。

角幡唯介『雪男は向こうからやって来た』(集英社、2011年)

著者のインタビューを登山雑誌「PEAKS」で以前みかけて、その中の本が積まれた写真の中に、『一万年の旅路 ネイティヴ・アメリカンの口承史』があるのを気づき、気になる探検家になっていました。
未踏のチベット・ツァンポー峡谷を探検するため新聞社を辞めようとしていた著者のもとに、ヒマラヤでの雪男捜索に加わらないかという声がかかり、話ははじまります。

雪男に興味はなかった著者が、雪男をめぐる古今東西の話を集め、雪男の姿や足跡を「見てしまった」現代の著名な登山家たちにインタビューを重ねるにつれて、”雪男ショック”なるものにひかれていく話です。
雪男を知ったら、その時自分はどう思うのか。どうなるのか。人生を変えてしまった先人たちのように、劇的なパラダイム転換が起きるのか。

なんだかその差は、意外に小さいような気がしました。