2012年3月14日水曜日

たんかん






















屋久島の南部でひと冬過ごしたことがありました。

ぽんかんからはじまり、海ぎりぎりの島のぐるりがだいだい色で次々と明るくうまっていきます。ぽんかんもおいしいけど、さらにジューシーなたんかんが大好きです。無農薬でたんかんを作っている農家にふらふらと立ち寄り、それからこれまで毎年送ってもらえるのをたのしみにしていました。

一昨年島に行ったときに、はじめてたんかんの木々がある畑に連れて行ってもらい、その環境の厳しさに頭が下がる思いがしたことを今でも思い出します。
海に近い傾斜のある広い土地で、暑い時期に作業するのはあまりにもつらいことが想像されます。鳥やヤクザルの被害も深刻なようでした。

話はちらほらでていましたが、今年は自家用以外の生産をとうとうやめたとのこと。
電話口でおばあさんと話をし終えてからしばらく呆然としていました。
いつもこういうときに思うことですが、失ってからの無力さに、何もしなかったことに落ち込みます。

お店でもたんかんを時々見かけますが、手に取る気になりません。

そんなとき、別の人からたんかんのおすそわけ。なんだかそれはそれはうれしかった。